|
下請け企業の将来像 1
戦後の日本の製造業の発展は企業城下町などのことばからも分かるように、親会社とそれをとりまく下請け
企業の存在が大きな役割を果たしてきました。
国内需要の増加に共なって、親会社が大きくなり下請け企業への発注がどんどん伸びた時代でした。下請け企業は親会社の要望に沿って生産計画を、実行していけば、黙っていても業績が伸びていくという低リスク経営が可能でした。
このようにして共存協栄で大きくなった親会社である大企業は、現在、グローバル化された中で、成長を維持すべく、人件費の安い生産最適地を求めて生産を海外に移動せざるを得ない状況に置かれています。生産拠点を海外に移した結果
、国内にまわす生産が減少して、従来の下請け企業への発注が減少する結果に繋がっています。
下請け企業がジリ貧になっていく状況の中で、下請けからの脱皮を図ろうとしますが、簡単に脱皮することはできません。低リスク経営からリスクの高い経営への転換に躊躇している場合ではないのですが。
そこで私は、下請けの中小企業に一番必要なことを具体的に考えてみました。ポイントは3ステップに分類されます。
下請け企業の将来像 2
●まず〈第一ステップ〉ですが、これは準備段階です。
第一ステップでまず行うことは、自社技術の確立と経営方針の変更です。
専業としてやってきた下請けには他社に負けない技術があるはずです。その技術を磨き、新しいものにつくり直すのです。
できれば省エネ対応技術。あるいは環境対応技術。また、最先端の宇宙や原子に繋がる技術など。同時に経営トップは、方針の変更を全従業員に伝えます。
次に、ものづくりの基板としてプロ達のネットワークを構築する。自社で全てのものづくりをするのは難しいからです。
最後にダム式経営で経営資源を蓄積するということです。例えば、人材を育成して人材のダムをつくる等です。ダムをつくるには、それなりの開発投資も必要になります。
●次に〈第二ステップ〉に移ります。
ここではできる限りリスクの少ない方法で自社開発を推進します。
親会社の海外シフトに共なって下請けへの生産発注が 少なくなっていますが、まだ、商品開発までは海外にシフトできていません。リストラで人材不足気味の親会社大企業は、サブ商品の開発にまで手が回らないのが現実でしょう。
そこで企画からデザイン、設計、生産まで一括して請け負える提案を親会社に行います。提案の内容が良ければ親会社にとっては渡りに船でしょう。考えることに関しては、親会社の指導を仰げるだろうし、『販売やサービス業務』を親会社にまかせることで最大のリスクを回避できます。
このようにして、生産請け負い型の下請けからの脱皮を図ります。このプロセスを繰り返し行うことで企業内の、『考えてものをつくる』体質が強化されます。
●そして仕上げは〈第3ステップ〉です。
ここでは強い中小企業を目指します。
第二ステップで行ったものづくりの経験を活かし、自社ブランドを立ち上げるのも一つの方法です。販売方法もインターネット活用など新しいやり方を独自に開拓しなければなりません。
このように新しいことに『挑戦する風土づくり』が最終ステップです。マンモスが滅びたようにこれからは身軽で強い中小企業が生き残る変動の時代へ突入します。
|